秋田市のサッカースクール ASP-U12スクール 「スクールだからこそ出来ること 」多様な存在意義

vol4サッカースクール

現在4~6年生41名が利用するASP―U12サッカースクール。秋田市内のあらゆる学区から子供達が参加してくれている。

キッズサッカースクールなど低学年からサッカーをしている子供達の次のステージとして、4年生から部活動を始める児童が増える中で、別の選択肢の1つとして、あるいはチームに所属しながらそこでの活躍を目指しレベルアップの為の補助スクールとして、各ご家庭ともスクールに求めるものが異なる中で、そうしたもの全てに応えうるスクールとなれるようにスクールの存在意義を我々自身が日々問いながら活動を続けています。

「スポーツ」という括りの活動

4年生から6年生を対象としたU12スクールを立ち上げたのは2年前の2019年。旧法人では9歳以下の活動を中心とし、それ以上の学年についてはセレクションにより選出された選手のみで構成するACADEMYにて担っていたものの、9歳以下スクールをご利用頂いていたスクール生が卒業された後にサッカーを続ける先としての選択肢が少ない事で4年生になった時点でサッカーを辞めてしまう児童が少なくない状況が続いていました。

スクールとしては9歳以下スクールを卒業したスクール生をジュニア年代で活動されている地域のスポーツ少年団へバトンタッチという意識で、あえて上の年代の受け皿を不要に作るまいと考えてきました。団員減少の昨今、チームの競技力も含め、スクールの活動により不要に選手を囲うような印象を持たれたり、実際にそうした結果となることは本意ではなかったからです。

しかし、ここ最近のスクールの存在価値と利用者のスクールに対する選択肢としての捉え方は大きく変化してきており、結果的にはスクールが補助的に存在する事で地域で活動するスポーツ少年団とスクールが共存し、その両方を利用する、あるいは片方の利用であっても相乗的な効果を生んでいる実感が出てきました。

地域の団体との新たな共存の形

スクールに行くからチームに入る必要は無い。ことASPに関して言えば、そうした児童はほぼいません。スクールのみを選択しているご家庭についてはやはり両親の勤務状況やライフサイクルなどの関係から、スクールの有無に関わらずチームでの活動は困難なご家庭がほとんどで、こうしたケースでは、もしスクールがなければ前述の通りそのままサッカー、スポーツから離れてしまいます。

選択肢を増やす事で秋田のサッカー界全体の、あるいは選手自身の機会損失を防ぐ意味でU12スクールの存在意義は日を追うごとに増してきました。

U12スクール立ち上げ1年目は22名の4~6年生が、3年目を迎える今春は41名の選手が利用してくれていますがその中でチームに所属しながら参加してくれている児童は7割弱に及びます。

今年からは水曜コース・木曜コースの2コース開催にした事で所属チームとのスケジュールにもマッチする選択が可能に。現在木曜コースは定員の30名に達しキャンセル待ち。チームでの活躍を目指し、補助スクールで他のチームの選手達と研鑽を重ねレベルアップを目指す。志向や家族の仕事の関係でチームには入れないけれどスポーツは続けたい。

スクールの存在意義は通う児童によって異なる。スポーツという言葉の持つ意味は広く、ここに通う理由の全てが大切なものであり、尊い。多様な存在意義を持ち始めたU12スクール。今後益々求められるスクールとなれるよう引き続き努力していく。

ここにしかない切磋琢磨の形

今年度から木曜コースの他に水曜コースを新設。これにより、各チームに所属している選手達にとって、チームの練習日と重ならない曜日の選択が可能になった。水曜日もしくは木曜日のいずれかが休みであればU12スクールに通えるようになり、選択肢が増えた事で利用者が更に増えている。

実際、今年になってから入会した選手が更にそのチームメイトを引き連れてきてくれたり、同じチームの選手が通っている事を知らずに入会してスクールでバッタリ会ってびっくりという事も多々ある。

現在はその所属チームのメンバーだけでほぼスタメンが揃うというグループもあるなど練習毎の紅白戦では市内の複数チームの練習試合をASPスクールの練習会場で行っているかのような、そんな競技環境が日常として存在している。

多様なニーズにどう対応するか

他方、チームに所属して勝敗を争う活動だけが全てとは思っていない。スポーツに対しどのような意義を持って取り組むか、何を求めているか、スポーツの意義は多様。

ASPとしては代表の加藤がこれまでブラジルやスペイン、アイスランドなどスポーツ文化が根付くスポーツ先進国で、子供達が心からスポーツを楽しむ様を目の当たりにしてきた事から、場の創出と同時に選択肢の大切さを考え現在に至る。

子供達の心身の健康とすくすくとした成長を目指す当法人にとって、どれだけ多くの子供達にスポーツの機会を提供出来るかが重要であると位置づける。その意味でも、各ご家庭ごとに異なるスポーツの目的に対してしっかりと選択肢を提供出来るような仕組みづくりを目指していかなければならない。

ASPとしてはまず異なる曜日のコースを増設するなど1歩目を踏み出したばかり。ASPを利用してくれている子供達とそのご家族の「楽しい」や「ワクワク」は一番大切な要素。それと同時に、何らかの阻害要因によりASPに来ることが出来ないまだ見ぬ子供達に対して我々がアプローチしたり改善していく事も同じくらいに重要。

沢山の小学生がスポーツを通じて毎日を楽しく、そして成長に伴い、将来を充実したものにしていく為にも我々のスクールの入り口を変化・工夫していく事が求められています。

スポーツ少年団やクラブチームなどチームに所属する選手の割り合いはどのくらい?

ASP―U12スクールに通う全41名の内、どのくらいの選手が‟掛け持ち„でサッカーをしているのか。

数年前までは少数派だった複数で頑張る掛け持ち選手たちですが、現在のスクール生の掛け持ちの割り合いはなんと驚きの66%という結果に。

全体の7割弱がチームとスクールの2軸で活動しており、チームでの更なる活躍を目指し、様々なチームの選手が集まり切磋琢磨出来るASPーU12スクールを利用している。これにASP―ACADEMYを加えると選手数合計は70名、その内、掛け持ち選手は56名に及び、実に80%の選手が複数で活動。レベルアップを目指す選手達にとって今やスタンダードな形となっている。

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